DIDSON(Dual-Frequency Identification Sonar)とは、 3 枚の音響レンズを使用した、 水中用の音響ビデオカメラであり、 潜水者探知や水中の機雷識別といった軍事目的のために開発されました。 視界ゼロの水中、 視程ゼロの海底における探索や識別で、 性能を発揮する装置です。

DIDSON は、 高解像度、 高画質を達成するために、 今までのシステムより非常に高い周波数の超音波ビームを使用し、 さらに、 水中音響カメラとして唯一、 レンズユニットを搭載しました。 約 40m の範囲で、 ビデオのような品質の動画をリアルタイムで出力できます。

DIDSON の操作は非常に簡単です。 DIDSON と接続されたリモート PC から、 専用のオペレーションソフトを使用して操作します。

この 2 つの画像は、 水底部透過機能を比較するためのものです。 左側の画像は、水底部透過機能を機能させていない状態で撮影したもので、 右側の画像は、水底部透過機能を機能させ撮影したものです。

左側の水底部透過機能を機能させていない画像では、 変換器のかなり近い場所で魚を認識することが難しいと解ります。

この水底部透過機能により、 DIDSON は、 水底の凹凸に関係なく、 魚を探知することが可能となります。

この 4 枚の写真は MANTA 型機雷です。 左下の写真は視界ゼロの中でもはっきりと形状を捉えています。 右の 2 枚の写真は砂に埋没しているものを捉えたものです。

DIDSON 調査を導入した事により、 調査の安全性が大幅に向上しました。

JFK の船体検査に DIDSON を利用

米海軍の潜水夫チームは、 空母 Jon F. Kennedy の船体清掃に、 DIDSON を活用しました。

DIDSON を使用する以前は、 12 名の作業員が触感による作業で、 1 日あたり 8 時間の作業を 3 日しても、 船底への作業保証は 40% までしかできませんでした。

2台の DIDSON を使用して作業することにより、 12 名の作業員による 3 時間の作業で、 船底の 90% が作業できるようになりました。 DIDSON を使用したことで、 船体検査毎に 32,000 ドルの経費が削減され、 なおかつ、 保証割合が 2 倍になったのです。

また、 DIDSON40m 先まで撮影ができるため、 運転吸水管などの危険区域から安全な距離を置いて作業することも可能にしました。

スペースシャトル「コロンビア」の
残骸捜索に DIDSON を利用

スペースシャトル「コロンビア」の事故の直後、 米国海軍 SUPSALV は、 テキサス州東部の陰鬱な水域におけるシャトルの残骸捜索に、 DIDSON の使用を要請しました。

複数の検索区域が設定され、 1 つの検索区域は、 25 平方マイルの大きさでした。

DIDSON は、 様々な捜索状条の元、 水中に没したシャトルの破片を含む物体に対して実験されました。

DIDSON は、 大型ソナーが役に立たない、 小さな区域の検査で、 主要となる目視ソナーとして活躍しました。

桟橋や防潮堤の周辺の池、 河川、 水深の浅い水域の捜索に使用され、 成果を上げました。

Ft. Lauderdale Fleet Week 2003
港湾保安に DIDSON を利用

米国海軍 SIMA の潜水夫は、 Fleet Week の補助として、 桟橋、海底の区域、および予備船舶の保安巡視を課せられました。

海軍と沿岸警備隊は、 錯地の海底区域と、 桟橋 2,500 フィート(約 750m)の検査にあたり、 以下の条件が前提となりました。

• 75 フィート(約 22.5m)の海底区域が検査の最小単位。
• 1 人の海面泳者と 1 人の潜水夫のペアで作業にあたる。
• 1 ペアがその区域の検査に要する時間が 2 時間まで。

この港湾保安作業で、 DIDSON が活躍しました。 保安巡視作業は、 その他、 全タグボード、 水先案内人の船、 および入港船内のはしけの船底の検査や、 桟橋区域と船体の無作為な保安巡視も毎日行われました。

DIDSON を使用したことで、 船体検査の際、操作給水管などの危険区域から安全な距離をおいて保安巡視作業を行うことが出来ました。

 

当初はいくつかの疑念がありましたが、 DIDSON は素晴らしい機能を発揮したので、 今後 DIDSON 無しでは、 保安巡視には行きたくないですね。 ─ SIMA 潜水夫談

仕様
ビーム部 最大レンジ 1MHz 使用時 40m
1.8MHz 使用時 12m
線密度 1MHz 使用時 0.6°間隔の 48 本のビームで目標物を検知
1.8MHz 使用時 0.3°間隔の 96 本のビームで目標物を検知
視野角 29°
フレームレート 520f/s (距離による)
焦点距離 140m
寸法 171mm (幅)×307mm (奥行き)×205mm (高さ)
重量 7.0kg (水中 -0.6kg
定格水深 152m(オプション 2,400m
制御 I/F Ethernet または RS-232C
出力 Ethernet または NTSC ビデオ
CCD カメラと DIDSON

CCD カメラと DIDSON による撮影の比較動画です。 プールでの撮影で、 照明があるため、 CCD カメラによる映像も良好です。

CCD カメラと DIDSON による撮影の比較動画です。 照明がないので、 CCD カメラの映像は真っ暗です。

銚子港付近海域
千葉県銚子港付近の海域にて調査した際の DIDSON によるダイバーの映像です。
フック On
海中でフックをかけている様子を DIDSON で撮影した映像です。
沈船
海中の沈船を DIDSON で撮影した映像です。
オイル
DIDSON で水中のオイル漏れを撮影した映像です。
鉄板
DIDSON で水中の鉄板を撮影した映像です。
魚が川を泳いでいる様子を DIDSON で撮影した映像です。